神話・うさぎ座の物語
今年最初の新月期、なかなか晴れない。
星座の写真をちゃんと撮って解説したかったのだが、ネタもないし、ストックもないので、先日のなんちゃって星野写真を使って解説。
オリオン座の下。星座線で星座名が想像できる星座。うさぎ座。
星座絵を重ねるまでもなくうさぎだが、一応こんな感じ。
なんだかかわいい。しかし、このうさぎ、悲劇のうさぎなのだ。
海の神ポセイドンの息子である勇者オリオンの彼女だったアルテミス。しかし、アルテミスの双子の兄、アポローンは、妹アルテミスが乱暴者のオリオンとつきあうのに反対だった。
海辺で寝転がっていたオリオン。その足をさそりがちくりと刺した。このさそり、大地の神ガイアが乱暴者のオリオンを殺すために送り込み、オリオンは刺されて死んだ、という説もあるが、ここではその説は採用しない。さそりは執拗に刺してくる。実はこのさそり、アポローンに弱みをにぎられ脅されていた。「おまえな、ゼウス様の昼飯、一品抜いて食べたやろ。ゼウス様、今日は何か品数が少ないって怒っとったで。ばれたらえらいこっちゃ。ばらされたくなかったら、オリオンが海辺にいるときブスブス刺したって~や」
で、さそりに刺されたオリオン。「いててててて。なんやねん。うっとおしいさそりやわ~。わて、あいつめっさ嫌いやねん。ちいさくてちょこまか動いてつかまえられへんし、逃げるにかぎるわ。あっ、あかん。腫れてきてもうた。海でひやしたろ」
オリオンは首まで海につかり、ぽっかり頭だけ出していた。「きもちええわぁ」
一方、対岸にいたアポローン、アルテミス兄妹。
「おまえ、まだあのオリオンと付き合ってるん? 評判悪いで~。あいつと遊んでばかりで弓の練習もしてへんやろ。アルテミスは遊びほうけて弓の腕が落ちたとみんな言いよるで」
「そんなことあれへん! 弓の腕かて落ちてません!!!!」
「ほうか? せやったら、海にぽっかり浮かんでるあのくろいまるいやつ、射れるか?」
「ちょっと距離あるけど、簡単やわ」
そう言うと、思いっきり弓を放った。弓は的にあたり、くろい物体は静かに沈んでいった。
「ほれみてみぃ。うちの腕、落ちてへんやろ!」
翌日。浜に一体の死体が打ち上げられた。頭に弓矢のささったオリオンだった。
「う、うちの矢や。う、うち、愛しいオリオンを殺してもうた!」
アルテミスは、すぐに医者のもとへ行き、復活をお願いしたが、冥界の王ハーデースがそれを許さなかった。父である全能の神ゼウスも死者の復活を認めることができず、オリオンを星座にしてアルテミスをなぐさめた。
余談だが、乱暴者のオリオンを死へおいやるきっかけを作ったさそりも、評価が高まり、星座になることができた。いまでも、東の空からさそりが昇ってくると、オリオンは西の水平線に向かって逃げ隠れるという。
アルテミスの悲しみは収まらなかった。毎日毎日、ただひたすら泣き続けた。そして父、ゼウスに願い事を告げ、自ら命を絶った。
ゼウスはアルテミスの願いをききいれ、うさぎの姿で星座にした。アルテミスの願い。それは、今度は自分がオリオンに射られたい、というものだった。こうして、悲しい目をしたうさぎは、オリオンに射られることを願いながら、その足元にまとわりつくのだった。
ね、悲劇でしょ。
……。はいはい、そうです。またまた私の作り話。この神話は実際にあるが、うさぎ座とは何の関係もない。つまり、「アルテミスの悲しみは収まらなかった」以降は全くの創作。古くからある星座なのに、神話は特にない、とか、オリオンに追われる野うさぎをあらわす、などしか説明がないので、ちょっとドラマティックに演出してみた。
だって、オリオンの獲物なのに、あしもとに絡み付いているのはおかしい。逃げる様子もないし。星座絵だってこんな感じ。
ね、まとわりついているでしょ?
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楽しく拝見させていただきました(^^♪
いっこうさんがギリシャ時代に生まれていたら、今とは違った神話が沢山生まれていたでしょうね。
Posted by: 鳥天 | January 24, 2012 12:30 AM
いい話だなぁ・・・・。ホロリ。(´;ω;`)ウウ・・・
って、、また作り話かい!!
またまんまと騙されたわ。(`ε´)
おもしろいから、いっこう神話シリーズの次お願いします。
Posted by: まるこう | January 24, 2012 04:25 AM
おはようございます。
語り部いっこうさん、絶好調ですね。
う~ん、こんな話があったのかと最後まで読んでしまいました。
雪がかなり積もりましたね。
転ばないように気をつけて下さいね。
Posted by: やまねももんが | January 24, 2012 06:18 AM
「ヘーそうやったんや」と思ったのもつかの間、ネタだとわかっていながらまた騙されてしまいました。
途中まで本当のところがミソですな。
うさぎはきっとオリオンの股下を華麗にスルーするつもりですよ。
Posted by: かたくちいわし | January 24, 2012 10:50 AM
>鳥天さん
いえいえ、そんなそんな(笑。あくまで、ギリシャ神話という下地があって、それを脚色しているだけですから。まぁ、あの時代に作っていたら、すくなくとも、大阪弁ではないでしょうね。
>まるこうさん
了解。なんだかのってきました。次は、はと座を予定しています。脇役でさそり座といて座も登場予定。でも、画像がない(泣。撮影が先ですね。
>やまねももんがさん
一応、こんな話はあったんです(笑 もちろん、会話はオリジナルですが。
雪、すごかったですね。所沢とか、八王子とかって、都心よりよく積もりますよね。気温も1度は低いし。電車は遅れましたが、無事、ころばずに会社にいけました。
>かたくちいわしさん
今回は被害者の会はご勘弁を。本物の話を無理矢理関連付けただけですから(笑
神話って、愛人とか、強姦とか、子供に聞かせられないものが多いんで、子供も安心して読める新神話をめざします。
うさぎ、華麗なるステップ! ですな。
Posted by: 阪神ファンいっこう | January 24, 2012 06:45 PM
こんばんは。
私も騙されてしまいました。
ギリシャ神話でもうさぎは月に関係していたんだなぁ、まだまだ知らない神話があるんだなぁ、なんて^^;
途中まで、本気でどこかで話そうと思ってしまいました。
お話作るの上手すぎます~。
Posted by: daisy | January 24, 2012 07:07 PM
>daisyさん
daisyさんで思い出しました。そういえば、食べ物の星座ってないですね(笑
だますつもりはないですよ。脚色です(笑
オリオンがアポローンの策略でアルテミスに殺されるのは神話どおりです。さそりに刺されて死ぬよりドラマチックですよね。
月の神話、いいですね。題材にさせていただきます。
Posted by: 阪神ファンいっこう | January 24, 2012 08:43 PM
うさぎ座にはそんな話があったんだ!と思ったら、創作でしたか。
でも、なかなかいいお話です。このような神話があったほうが夢が広がりますね
Posted by: ブドリ | January 24, 2012 10:12 PM
>ブドリさん
はい、ごめんなさい。思いっきり作り話です(笑
褒めていただきありがとうございます。このシリーズ、続けていく予定です。また読んでくださいね。
がんばって星座の写真も撮らねば!
Posted by: 阪神ファンいっこう | January 24, 2012 10:46 PM